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米最大のダム撤去計画、間もなく開始




アメリカ、ワシントン州で、2つのダムの撤去作業が始まる。アメリカ史上最大規模で、同国各地の類似プロジェクトに刺激を与えるモデルになるとして注目を集めている。オリンピック半島を流れるエルワ川。地元先住民の間では、「あまりにも多くのサケが遡上するため、群れの上を歩いて対岸まで渡ることができた」という言い伝えが残っている。

 だが20世紀初頭、河口付近にエルワダム、グラインズキャニオンダムが建設されると、サケは海と川の間を行き来できなくなった。それからおよそ100年。2011年9月から、両ダムの撤去作業が始まる。

 老朽化による維持コストの高騰もあり、漁業権の復活を求める先住民の訴えが認められ、1992年にエルワ川環境回復法が連邦議会を通過、ダムの撤去が決定した。

 環境保護団体「アメリカンリバーズ」の広報担当エイミー・コーバー氏はこう話す。「我が国では既に1000基近くのダムが撤去されているが、今回のプロジェクトは最大規模で、環境回復の試みとして極めて重要視されている」。

◆既に不要となったエルワ川のダム

 2つのダムは、ポートエンジェルス市内の製紙工場への電力供給を目的として建設された。19世紀末から20世紀初頭にかけて、本格化したオリンピック半島の開発で重要な役割を担ってきた。だが現在この地域の電力は、大半が南隣のオレゴン州ポートランドからの送電でまかなわれており、どちらのダムも発電所としての役割をほとんど果たしていない。

 しかも、サケの遡上を助ける魚道が未整備で、エルワ川の生態系に悪影響を及ぼしていると考える人々は、既に1970年代から撤去を求める声を上げていた。だが地元住民には撤去への不安が根強く、実際の工事開始までには30年以上の紆余曲折を経ることとなった。

「地元の人々の意見は、この30年の間に徐々に変わってきた。存続よりも撤去した方がメリットは大きいと認識するようになった」とコーバー氏は述べる。

 地元住民の意識変化には行政も大きな役割を果たしている。1992年の法案には、ダム撤去前に実施すべき準備対策を詳細に定めた内容が盛り込まれた。その中には、川の堆積物の増加を見越した新たな水処理施設の建設や、水位の上昇が予想される場所に面した私有地を保護するための堤防の改修などが決められている。これらの対策は実施済みで、ダムの電力を利用している製材工場などは、自家発電装置の導入も検討しているという。

◆ダムの撤去で生態系全体が回復

 2つのダムが撤去されると、エルワ川は自然の流れを取り戻すことになる。現在生息するサケの数は約3000匹と言われているが、専門家の試算によると40万匹前後にまで急増するという。

「サケの数が増えると、小さな昆虫からアメリカクロクマ、シャチに至るまであらゆる動物が恩恵を受ける。サケの死骸は川沿いに立つ杉の養分にもなる。私たちが取り戻そうとしているのは、ピュージェット湾からオリンピック山脈に至る自然環境の中で、生物どうしが複雑に絡み合う生態系なのだ」とコーバー氏は語る。ダムに滞留していた大量の土砂や流木も、再び下流域まで流れて行く。

 河口部にまで到達した土砂は天然の防波堤として機能するため、周辺の住民にとっては心強い味方となるだろう。

◆他の環境回復プロジェクトの刺激に

 コーバー氏は、アメリカ各地の環境回復プロジェクトを後押しする効果にも期待している。「エルワ川の環境回復の様子を目の当たりにすれば、人々はおのずと地元の川へ関心を向けるに違いない」。

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新し物好きのRobin Morino が、日々感じた事、健康、音楽(カンツォーネ、シャンソン、ジャズ、ボサノバ等)、映画、小説、Photo、旅行、恋愛、社会、政治経済等について徒然なるままに書き綴ります。(独断と偏見、浅学菲才によるボロはご容赦ください)
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